NICチーミングで、ロードバランシングとリンクアグリゲーションの違い

 

NICチーミングとは

チーミングとは、サーバー筐体の複数の物理ネットワークポートを一つのネットワークポートとして扱えるようにする技術。
複数の物理ネットワークポートへのネットワーク・トラフィックの分散や、物理ネットワークポートのフェールオーバー(NICの冗長化)が可能になる。
そのチーミング方法・機能には大きく3つの種類があり、以下で説明する。

ちなみに、上記ネットワークポート口のチーム化機能を、Windowsではチーミング(teaming)とよびLinux系ではボンディング(bonding)と呼ぶ
ここでは、Windowsのチーミングについて、主に説明します。

Windowsのチーミング機能を実現するソフト

Windowsのチーミング機能を実現するソフトはNICメーカー(LAN コントローラメーカー)である
・intel製のIntel PROSet
・Broadcom 製のBACS(Broadcom Advanced Control Suite)/BASP(Broadcom Advanced Server Program)
が代表的なWindows NIC チーミングソフトになります
メーカーサイトからのダウンロードも可能ですが、サーバーOEMメーカーからのダウンロードが無難です


チーミングの種類

チーミングには、大きくわけて次に示す 3 つの機能があります。
使用されるチーミングモードによって、使用できるチーミングの機能や、動作の詳細が異なります。

フォールトトレランス (Fault tolerance)

アダプター部分の冗長化を実現する機能です。
アダプターをプライマリー (稼動) とセカンダリー (待機) の 2 種類に設定したうえで、プライマリー・アダプターが他のネットワークとの通信を行います。
アダプター自体やLANケーブル、接続されたポートなどにおいて障害が発生し、通信ができない状態になったときに、セカンダリー側のアダプターがそれまでのプライマリー側の設定を引き継いで動作します。

注意: この機能はサーバーのネットワークの接続を確保するためのもので、スイッチのフォールトトレランスのために設計されてはいません。
フォルト トレランスにはアダプタ フォルト トレランス (AFT) とスイッチ フォルト トレランス (SFT)の二種類があり、重きを置いている箇所が異なります。 
スイッチをフォールトトレランスするためにSFT(スイッチ・フォールト・トレランス)機能を実現するモードもあったりしますが、使用にはスイッチ条件に注意する必要があります

リンク・アグリゲーション (Link Aggregation)

複数のリンクを使用することにより、全体としての帯域幅を増加させる機能です。
送信または受信などの際、複数のアダプターがそれぞれ別々のネットワーク機器との通信に当たります。
一つの通信相手に対しての速度が向上することはありませんが、通信に使用するリンクの数が増加しますので、クライアント - サーバー間の通信など、複数の通信 (1 : n) を同時に必要とするケースなどで有効となります。



ロード・バランシング (Load Balancing)

送信の負荷を分散する機能です。
ANS ドライバーに組み込まれた調整エージェントによって、サーバーからのトラフィックを分析し、宛先アドレスによりアグリゲートされたアダプター群に振り分けます。

注意: 受信ロードバランスする機能もあったりしますが、うまく動作しない場合が多いのでスイッチを含めテストが必要です。
受信ロードバランシングのロジック的には、ARPネゴシエーションによって行なわれるのでスイッチとの愛称も存在する



制限事項: リンク・アグリゲーション / ロード・バランシング機能は、サーバー - クライアントのような 1 : n の関係にある通信の帯域を広げるための機能です。

intel製の場合、仕様により1 つのセッションを複数の物理アダプターに振り分けません。
そのため、サーバー間接続のような、1 : 1 の関係にある通信については、帯域を広げることはできません (通信速度を向上させる機能ではありません)


チーミングでのロードバランシング(ロードバランス)とリンクアグリゲーションの違い

まず、上記チーミングモードを見るとわかるように、基本ロードバランシングは送信のみ分散され、リンクアグリゲーションは送受信に対して分散されます。
しかし、ロードバランスもリンクアグリゲーションもあて先により物理ネットワークポートの分散ロジックをとっているため、1:1の通信で帯域が増えたりすることはありません。
1:nにメリットがあるチーミング構成といえます(または、サーバーが仮想サーバーのホストの場合)

ロードバランスのロジック

この機能は複数の宛先アドレスに対する送信を同一のハブ、またはスイッチに接続された 2~8 ポートのチームメンバーで同時に行なうことにより、ネットワークの帯域幅を向上させるものす。
外部からのデータ受信はプライマリー・アダプターのみが行ないます。
送信データが複数の宛先アドレスを指定している場合に、構成された各アダプターより各アドレスへ同時に送信されます。
(マルチキャスト・ブロードキャストや、ルーティングされないプロトコル (NetBeui, Microsoft IPX など) では、プライマリー側のアダプターからのみ送信されます。)

リンクアグリゲーションのロジック

チームを構成するすべてのアダプターが送受信できます。
しかしながら、各アダプターの送受信データは単独のアドレスに対して単一のアダプターでのみ扱われ、その基本速度を超えません (帯域幅の拡張は行われません)。
すべてのアダプターが 1 つの MAC、および L3 アドレスを共有し、フォールトトレランス機能を含みます。
送信の際は発信元・宛先アドレスペアを基準にロード・バランシングし、複数アドレスへ同時送信を実行した場合のみ発生します。
受信のロード・バランシングはスイッチの機能によります。
2~8 ポートをアグリゲートできますが、接続するスイッチ製品の仕様と合致させる必要があります。
このモードでは、プライマリー・アダプターを設定する必要はありません。

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作成日:2012/01/24
更新日:
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